伊勢型紙の彫り方

 千年の歴史を誇る伊勢型紙は、その歴史の中でさまざまな彫り方が研究されてきました。このページでは、その彫り方とあわせて、糸入れという補強の技術も紹介します。

 錐 彫 り

 小紋の型紙技法の中でも古い技法と言われています。と呼ばれる穴をあける小刀を使い、大小さまざまな穴を開けていきます。最近では真円の錐を使うことも多いですが本来は半円形の錐を回しながら丸い穴をあけていくものです。細かいものでは9平方cmの中に1200個の穴をあけたものが存在します。

 突 彫 り

 針のように先端を細く尖らせた小刀で、刃の部分を外側に向け、下に向かって突くように彫っていきます。もちろん、それでは刃が折れてしまいますので、「穴板」と呼ばれる小さな穴の開いた板の上に型紙を置き、その穴の中で刃を上下させながら彫り進みます。

道 具 彫 り

 2枚の鋼を曲げて組み合わせて形を作った道具と呼ばれる特殊な刀を使って打ち抜いていく彫り方です。道具彫りの職人は、彫り型の形にあわせて自分で道具を作ります。道具彫りの職人の仕事場には、そうして作られた道具が何百種類と並べられています。

 縞 彫 り

 型定規と呼ばれる特殊な定規をあてて小刀で引くように彫っていきます。単純なようですが大変な努力と忍耐を必要とします。最も細かい縞のものですと、1cmの幅に11本の縞を彫り込んだものが存在しています。

糸 入 れ

 上の縞彫りの図の中に黒い細い横線が見えています。これが糸入れと呼ばれるもので、型紙を補強するための技術です。伊勢型紙を彫るための柿渋紙は和紙を2〜4枚柿渋で張り合わせたものですが、糸入れとは、型紙の張り合わせた部分を2つに引き剥がし、間に糸をいれ、もう一度元のように張り合わせる技術の事を言います。最近では型紙を補強するための技術として「紗張り」という技術があります。型紙に漆や樹脂で紗と呼ばれる細かい網を張るもののですが縞彫りなど一部の型だけは、今でも糸入れを行います。、